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たけまん釣行記

あの日、あの時のスズキ




このスズキは一年前、泉南の海で、僕に釣られた。
あの日、あの時のスズキ





一度はルアーを見切った。

ピックアップ寸前、銀鱗が翻ったのが見えた。




もう食うのをやめればいいものを。

数投目、またもやピックアップ寸前で今度はバイト。

そして、僕に釣られてしまった。





叉長を計られ、背中にタグを打たれ、リリースされた。
あの日、あの時のスズキ






あの日、あの時のスズキ





それから一年。




あのスズキは、どこの海や川を行き来したのか…

それとも同じ泉南の海でずっと暮らしていたのか…

残念ながら、それは分からない。




分かったのは…




一年後、僕に釣られた場所の少し沖で、漁師の定置網に入り、その一生を終えたこと。





JGFA再捕報告書。
あの日、あの時のスズキ





あの日、あの時のスズキ





あの日、あの時のスズキ




今回のスズキは再リリースされていないので、まるでスズキの死亡診断書みたいにも思える…(苦笑)

定置網に入って食用として出荷され、誰かに美味しく食べて頂いたと願いたいですね。




  ◇  ◇  ◇




それでは、データを見てみましょう。



あの日、あの時のスズキ




あの日、あの時のスズキ




【叉長】


昨年のリリース時には叉長69cm(全長72cm)、今回の再捕でも叉長69cmと、一年では全く成長していない個体でした。

個体差や地域差もあると思いますが、スズキが成長するには長い年月が掛かります。

成魚になるほど成長スピードが遅くなり、70cmオーバーで8年、80cmオーバーでは10年以上掛かるとも言われています。



人間界とは比べ物にならない弱肉強食の世界を生き抜く魚達。

その命に対して敬意を払うことも忘れずにいたいですね。



 
【位置】


再捕された場所はリリースした場所の少し沖で、移動距離は殆どありませんでした。

一年をどのように過ごしたかは不明ですが、成熟した個体だったので産卵に加わったことは間違いないと思います。

移動距離がなく位置が同じと言えど、それも一つの立派なデータです。



スズキは毎年同じエリアで産卵したり、産卵後に元の生息エリアに戻るといった「回帰性」のある個体群がいるようです。

実際に、河川で釣られたスズキが産卵期を挟んで、また同じ河川で再捕されたという事実がタグ&リリース調査で実証されていますし、数年後に同じ河川で、しかも同じ釣り人が再捕している実例もあります。

今回のスズキも一年後の同じ時期に同じエリアで再捕されましたし、以前、僕が再捕したヒラスズキも半年前に同じ磯で釣られており、産卵期を挟んで戻ってきた個体でした。



『タグ&リリースされたヒラスズキを再捕!』
http://takeman.naturum.ne.jp/e2491856.html

『ヒラスズキの再捕結果報告』
http://takeman.naturum.ne.jp/e2511192.html





以上、再捕報告書のデータでした。

こうしてスズキの成長度合や回帰性について考えてみると、また改めてスズキに対する慈しみも湧いてきましたし、リリースやバッグリミット(持ち帰り制限)の重要性についても考えさせられましたね。




  ◇  ◇  ◇




日本の研究機関では、水産試験場などが魚の標識放流を実施していますが、それは水産資源として価値の高い食用魚に限られるのが現状で、釣りのゲームフィッシュを対象としたタグ&リリース調査はJGFAだけです。

JGFAのタグ&リリース調査では特にスズキの実績が多く、その集積したデータによって、これまで知られていなかったスズキの生態が明らかになるなど、第一級の資料として評価されているようです。

僕も微力ながら協力できればと、主にスズキ、ヒラスズキをタグ&リリースしています。



とは言え…



魚体にタグを打ち込む時はいつも、複雑な心境になります。

「自己所有欲の為のタグ&リリースになっていないか?」

「自分のやっていることって、本当に正しいことなのか?」

未だ自問自答しながら続けているのが正直なところです。



果ては、釣り人という人種の性にさえ矛盾を感じる時もありますが…

そんな矛盾を咀嚼し、反芻しながら、これからも釣りを続けて行くのでしょうね。





さて、木枯らし1号も吹きました!

とりあえず、僕もそろそろ…

スズキ釣り、始動したいと思います!!








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コメント
たけちゃん、こんばんは!

"君の瞳に恋してる"。。

私は、この魚の瞳が堪らなく好きなんです。
とくにヒラスズキ、あんなに可愛い目をした彼女はおらんですよ。
てなわけで、私にとってスズキは、み~んな、女性なんです。。(*^^)v

2017年10月31日 23:04
Nさん、こんばんは!

『君の瞳に恋してる』踊りましょうか~\(^o^)/

スズキ、そして特にヒラスズキの瞳が好きな気持ち、よ~く分かります!
み~んな「女性」という感覚もよく分かります!(^-^)

ちなみに余談ですが、『全長約60センチ以上のスズキにおいて、眼が大きい個体は雄、小さい個体は雌という性差がみられた』との研究結果が出ているようです。

たけまんたけまん
2017年11月01日 00:00
って事は、僕にもそれが釣れる可能性があるって事かな?
一応釣れた時の為に、たけまんさんの過去記事を読みました。

で、、木枯らし1号の時は惨敗しました(笑)大量バラシでした
久しぶりやったんで、腕が錆びついてましたわ・・。。



僕的な考えは、シーバス類は正直言って、特別旨い魚でもなく
知人にあげる事も食用としては不人気魚なので考えにくい。
なので、リリースしやすい?
しかし、鯛、鰤、カンパチ、アコウ。。。。どうしても勿体ないって気持ちが先行してしまいます。
僕っていやしい人間ですわ。(いやらしいでは無い(笑)
多く釣れても、日ごろお世話になってる知り合いにお土産として持って行こうと考えてしまう。
シイラ、ツバス、ハマチ、チャリコとかならリリースなんですが、シイラや青物ってタグ打ってなんやかんやしてたら死にそうですよね。
難しい・・・。。


ちなみに、タグ打つのって資格とか要るのかな?お金も要るの?
かじやん
2017年11月01日 08:22
一年で全く成長せずですか。。このスズキがランカーサイズになるのには、まだまだ年数が必要だったのか、はたまた頭打ちだったのか。。 ほんと、いろいろ考えさせていただける記事でした。
ひろ
2017年11月01日 11:51
かじやんさん、こんばんは!

木枯らし1号の時、行かはったんですね~さすが地元!( ̄▽ ̄)

再捕の可能性ですが、タグ&リリースされたスズキの再捕率は約1%です。
でも、これからスズキが落ちてくる泉南なら、かじやんさんが再捕する可能性はもちろんあります。

僕的にはスズキは美味しい魚ですよぉ♪
かじやんさんは他にええ魚ばかり釣ってはるんで舌が肥えてはるんや思いますわ☆(^∀^)

僕はキープ否定派ではないですし、食べる楽しみも大切やと思っています。
家族や親戚、知り合いが喜んでくれるとコッチも嬉しいですからね!
鯛、鰤、カンパチ、アコウ…リリースは確かに勿体ない!!(≧∇≦)

ただ、スズキもそうですが、ヒラスズキなんかは特にサイズの小型化が気になるところですよね。
幸か不幸か、日本ではライセンス制やバッグリミット制がなく、釣った魚は各々の判断に委ねられますが、だからこそ、産卵期や大型の個体はなるべくリリースするなどといった個人の節度が必要やと思うんです。

そういった意味でも今回は僕のエゴで、僕のヒイキしているスズキやヒラスズキで、微力ながら発信させて頂いた次第でありますm(__)m

タグ&リリースするのに資格はいらないですが、JGFAに入会しなければなりません。
僕は年会費6000円のレギュラー会員で、タグガンは…5000円くらいやったかな?タグはJGFAから支給して頂いてます。
詳しくはJGFAのホームページを見て下さい♪(^-^)

あっ、安心して下さい、僕もヤラシイ人間ですから~(* ̄∇ ̄)ノ
たけまんたけまん
2017年11月01日 22:59
ひろさん、こんばんは!

そうなんですよ~全く成長してなかったです。
おっしゃる通り、頭打ちだった可能性の方が強いのかも知れませんが、こればっかりは分からないですよね。

ちなみに僕の場合は小4で下の毛が生え、小5には声変わりなど成長が早かったです。
でも、中2で身長が止まりました!(>_<)
えっ、そんなこと聞いてないって?? こりゃまた失礼しました!(^∀^)

たけまんたけまん
2017年11月01日 23:08
こんにちは!

ご無沙汰してます♪
非常に興味深い記事、ありがとうございました。
僕はキープしたり、リリースしたりですが、夏から初秋の脂がこってり乗ったスズキは寒ブリ並みに美味いと思ってます…(笑)
でも大型はリリースするなど、これからもデカいのが釣れてくれるように努力も必要ですね♪

すでに泉南シーバス、爆裂してますよ~(笑)
パソコンの故障でアップできてませんが、ええ感じに釣れてます(*´ω`*)
(僕はバラしてばっかり…(笑))

じゅにじゅに
2017年11月02日 13:33
じゅにさん、こんばんは!

大型のリリース…やっぱり皆、釣るなら大型を釣りたいですからね!
産卵に入る大型は特にリリースしてもらって子孫を残してもらう…
そんな気持ちの余裕を持ってリリースできればいいですよね(^-^)

でも、個人の記録もののサイズはキープして魚拓や剥製にするなどの楽しみも大切やと思いますし、もちろん食べる楽しみも大切ですからね。

じゅにさんはキープした魚はしっかり料理されてて、しかも上手やし尊敬しますよ!
確かに食で言えば、夏のスズキは旬で美味しいと僕も思います☆

泉南、爆裂してますか!!(゜ロ゜;
メチャメチャ行きたくなりますや~ん!!(≧∇≦)
隙あらば行ってきます!!
パソコン治ったらアップして下さいね~!!\(^o^)/

たけまんたけまん
2017年11月03日 23:13
こんにちは。

JGFA再捕報告書ってそんなふうに来るんですね、なるほど。
僕も魚に与えるダメージが少なくなるよう出来る限りのことはしているつもりなんやけど、やっぱり弱らせてしまうことがあるんですよね(-_-;)
タグはやってないけどキャッチ&リリースもっと上手くなりたいです。
まあ、僕の場合なんし釣りに行かなあかんわ~( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
ひろーか
2017年11月04日 16:53
ひろーかさん、こんにちは!

心優しきアングラー・ひろーかさんなら、リリースは大丈夫ですよ☆

それに、ひろーかさんのフィールドは川か磯なので、釣り上げても水がある所にスズキを置いとけるし、ウェーダー履いてるしね!(^-^)
これが港湾の釣りだったらなかなかそうは行きませんので、リリースするスピードが大事になってきますよね。
リリースには、そんなフィールドや装備などの優位性もありますよね。

釣りの方、ナイスな川鱸釣ってはりましたね!
ん~相変わらずお見事でございます!m(__)m

たけまんたけまん
2017年11月06日 12:45
昔タグ&リリースやってましたが、残念ながら再補されませんでした。
同行した人がタグ付きヒラスズキを釣ったことはありましたね。
その時も殆どリーリースした場所と同じ場所でした。
再補された魚が1年たって成長していないのは意外ですね。
それと、その魚が漁師に捕られて出荷とは何とも複雑な心境ですね。

話し変わりますが!最近地元周辺シーバスかなり寄っているようです。
ベイトも多くて、青物も多いようです。泉南はどうかな?
ジャンキー!
2017年11月07日 17:22
ジャンキー!さん、こんばんは!

スズキの再捕率も1%ほどですから、なかなか再捕されにくいでしょうね。
でも再捕率が低いってことは、それだけ個体数が多い証拠のようです。

同行された方が再捕されたヒラスズキも同じ場所でリリースされた個体だったとは…
それを聞くとやっぱり必要最小限のキープを心掛けたくなりますよね。

今回のスズキは、計測でお互いに多少の誤差があったとしても殆ど成長していないので、あの個体は成長が頭打ちだったか、もしくは成長に長い年月が掛かる個体だったのかも知れませんね。

少し複雑な心境になりましたが、しっかり出荷されて、誰かに美味しく食べて頂いたと思いたいですね!

そちらの地元、ええ感じなんですね~ソソられます!
泉南のベイトなどの情報は分かりませんが、スズキはボチボチ釣れてるようです♪←僕は結構テキトーです(^^ゞ
たけまんたけまん
2017年11月07日 18:54
たけまんさん、お疲れさです。
「またまたオヤニラミ」のページから飛んできました。
自分はタナゴ釣りにしか興味がないので毎回たけまんさんのタナゴ記事だけチェックしています。でもこのスズキさんの内容はすごくしびれました。
安易にコメントできませんがすごいことなんですね。
釣りを楽しませてくれる個々の魚は大切にしてあげたいですね。
タナゴの中にも天然記念物や絶滅危惧種もいますが釣り人としての保護マナーは再度考えさせられます。
赤組
2017年11月08日 08:54
赤組さん、こんにちは!

スズキの記事やのにコメント頂いて嬉しいです♪

スズキの再捕率が1%ほどと低いですし、僕がリリースした魚が再捕されたのは今回が初めてです。
再捕率が低いということはそれだけ個体数が多いと考えられますが、僕が思うにはタグが外れたり、再捕されても報告がなかったりと、他にも原因があるかと思います。
今回は再捕されたのが漁師さんだったので、しっかり報告がされたのだと思っています。

ほんと、釣りを楽しませてくれる魚は大切にして行きたいですし、僕の中ではタナゴもそうです。
スズキやヒラスズキに関しては僕の出来ることとしてタグ&リリース調査に協力させてもらってますが、タナゴに関しては、タナゴをどのようにして守っていけばいいのか…いちタナゴ釣り師として模索中です。

今のところ僕に出来ることは、タナゴやタナゴ釣りの楽しさ、素晴らしさを、ささやかにブログで記事にすることですかね~(^^ゞ

たけまんたけまん
2017年11月08日 11:23

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あの日、あの時のスズキ
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