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たけまん釣行記

ふるさと探訪 タナゴ釣り②

Aug 9 , 2014

タナゴ(22)




僕が生まれた町。



ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②





昔、この町の古びた文化住宅に一家四人で暮らしていた。

当時の文化住宅は今はもうないが、同じ造りの文化住宅や昔ながらのアパートがまだ何軒か残っていた。




ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②





夕暮れ時、母は幼い兄と僕の手を引いて、この坂の向こうの駅まで歩き、仕事帰りの父を皆で迎えに行ったという。


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


今では駅も立派になって踏切もなくなってしまったが、こうして歩いていると、今でも遠くから踏切の音がカンカンと聞こえてきそうである。




 ◇   ◇   ◇




僕が六才の頃に別の町へ引っ越してからは、あまりこの町を訪れることがなかった。

しかし昨秋、この町を流れる小さな川でタナゴが釣れると知った。

自転車でタナゴの居そうな場所を探索したのがキッカケだった。

地元のおじさん二人が釣っていた小ブナやモツゴに混じって、婚姻色の綺麗なカネヒラが釣れていた。




ふるさと探訪 タナゴ釣り②




昔は汚染されたゴミだらけのドブ川で、釣りを楽しめるような川ではなかったが、近年、水質の浄化が進み、魚が戻って来ているようだった。




ふるさと探訪 タナゴ釣り②




「生まれた町でタナゴ釣りが出来たら素敵やろうな~…」




ふるさと探訪 タナゴ釣り②




あれから一年近く経った今、カネヒラに婚姻色が出るにはまだ早いけれど、今回、下見に訪れてみたのだった。





しかし…





ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②





矛盾や憤りはたくさんあるが、寂しい限りだ。


これでもう、ふるさとを訪れる理由がなくなってしまった。


八月の小雨そぼ降る朝だった。




 ◇   ◇   ◇




僕は、馴染みのタナゴ釣り場のある京都へと向かった。

途中、ハンドルを握りながら、ふと脳裏を過ぎった。




先日、入院中の母親の手術が行われた。

9時間にも及ぶ大手術だった。

僕は、手術室の脇にある薄暗い小部屋で、摘出されたばかりの母親の子宮を見た。

ステンレス皿に乗せられた子宮は、想像したよりも小さく、貧弱なものだった。

医師の説明を聞きながら、「ここに俺が入ってたんやなぁ…」と心の中で呟いていた。

悪性腫瘍に侵された、血生臭い僕のふるさとが目の前にあった。




 ◇   ◇   ◇




京都に到着した頃には止んでいた小雨が、釣りを始めた途端にまた降り始めた。

しかし、この時期の小雨なら、雨具を着ない方が火照った身体を冷ましてくれるので、かえって気持ちがいい。




そしてこの夏も、同じ場所で魚達が迎えてくれた。




ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②





僕のふるさとは、ここではない。

ここはタナゴ釣りを通じて二年前に初めて訪れた場所である。

なのに、ここで釣りをすると子供の頃にタイムスリップしたかのように無邪気になれるから不思議だ。

僕と遊んでくれる魚達のお陰なのであろう。




ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②


ふるさと探訪 タナゴ釣り②





僕にとってふるさとは、生まれ育った場所であり、寡黙な父であり、産んでくれた母であり、兄であり、家族である。

いずれは変わり、いずれは僕も死に、いずれは皆、消えてなくなってしまうものだけれども…



僕は、釣りを通じて改めて知った。

心の中の原風景さえあれば、例えどこへ行こうとも、いつの日も、自由に、ふるさとに還ることができるのだ、と。



僕のふるさとは、心の中にあった。








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コメント
お疲れさまです!

お母さまの体調が心配です!

早く良くなりますように!

しかし釣り禁も多すぎるとげんなりしますね!

僕も先日、子供の頃にライギョが良く釣れた池を見に行く機会があったのですが、埋め立てられて住宅や公園になってしまってました。

アラフォーにもなると過去を振り返る事も多くなりますが、せめて景色くらいは面影が残ってて欲しいですね!

あっ、こちらは未だに魚が釣れておりません!(笑)

たいパパ
2014年08月09日 12:19
たけちゃん、こんばんは!

私の故郷は、神戸市長田区。。
テレビニュースが報じる建物の崩壊・火災の映像は、
フィクションでなく現実でした。。

心の中の原風景さえあれば。。同感です!!(*^^)v
N
2014年08月09日 20:16
カネヒラって初めて聞きました…
タナゴって何種類もあるんですね!!!!

あんな小さな魚釣れるんですね(*>∀<*)ゞ
ぼくも死ぬまでに一度は釣ってみたいです☆
キレイなバラタナゴ?を(/∀`*) 
ふみやん
2014年08月09日 21:16
こんちわ

綺麗な魚ですね。

釣りキチ三平に確か出て来た?
「小さな大物」だったかな??思い出しました。

まさに、小さな大物ですね。


大阪府で2番目の(多分)田舎育ちで、今も住んでますが
こちらは平地がないので、タナゴ類は居ないのか??
見た事無いです~。。
海か山しか無いですから。。
かじやん
2014年08月09日 22:07
たいパパさん、お疲れ様です!

ありがとうございます!ウチの母、今年は治療の年と頑張っております!
とりあえず、僕が釣りに行けなかった理由がチョメチョメだけじゃなかった、という事で…(^^ゞ

埋め立てられてしまったら面影が全くなくなってしまって空しくなるでしょうね。
釣り禁はホンマ多過ぎますわ。僕は以前、釣り禁になった溜め池の管理者に何故なのか聞いた事があったんですが、やっぱり「何かあった時に責任問題になる」「大人が池に入って釣りをすると子供が真似をして危険」という理由でした。この理由にもちょっと憤りを感じちゃいますが…。

たいパパさんのブログ、期待してますが、マイペースでやっちゃって下さいね!(^^)/

たけまんたけまん
2014年08月09日 22:41
Nさん、こんばんは!

故郷を失われた方々ほど故郷は残酷なものでしょうし、望郷心も強いかも知れません。
もし僕の故郷が災害に遭ったと想像すると…実際に遭われた方々の喪失感は相当なものだと思います。

心の中の原風景、人それぞれの原風景…
Nさんの原風景も、またいつか飲みながらでも聞いてみたいですね。
J45弾きながらお願いしますよ♪釣りは二の次です。←ちゃうか?(゚∀゚ゞ)

たけまんたけまん
2014年08月09日 23:09
ふみやんさん、こんばんは!

カネヒラは、淀川水系では馴染みのタナゴなんですよ。
秋産卵型で婚姻色が鮮やかに出て綺麗ですよ!

そうです!写真のあの小さなタナゴはバラタナゴです!タイリクバラタナゴです!
タイリクなだけに本来は外来種なんですが、これも馴染みのタナゴになってます。
こちらは春産卵型で婚姻色メッチャ綺麗です☆

タナゴ、紀北には生息してるそうですよ!
是非チャレンジしてみて下さいね♪(^^)/

たけまんたけまん
2014年08月09日 23:21
たけまんさん、こんばんは☆

お母様、大変でしたね。治療…闘病…ご本人もご家族もお疲れやと思います。
ですが!!やっぱり親には少しでも長生きしてもらいたいっ!すでに私は両親を見送った身ですが、たけまんさんのお母様に頑張ってー!ってエールを送ります♪

…お母様が大変な時に不謹慎ですが…たけまんさんファンの私としては、「チョメチョメ」だけが理由じゃなくて、ちょっとホッとしました。笑

お母様の回復を心待ちにしてますね!
ほんで、秋には一緒に徳島にアノ魚を釣りに行きましょ!
まっちゃん
2014年08月09日 23:53
かじやんさん、こんばんは!

釣りキチ三平の「小さなビッグゲーム」、忘れちゃってたんで、さっき観ましたわ~(^^ゞ
突如訪れたビッグゲーム好きな外人さんに三平がタナゴ釣りを教えるストーリー♪
なかなか面白くて童心に帰って観ちゃいましたわ~(^0^)

そちらには居ないかも知れませんが、やってみても面白いかもですね~
でもそちらの地域、僕は大好きですよ~(*^^)v
もはや僕の第2、第3の故郷のような感じですもん♪(^^ゞ

たけまんたけまん
2014年08月10日 00:06
まっちゃんさん、こんばんは!

ありがとうございます!一番辛いのは本人ですが、これからの治療を前向きに頑張るって言ってくれてるのでサポートして行きたいと思ってます!
母にも「まっちゃんからエールがあったよ~!」って言っときますね♪(^-^)

ってか、チョメチョメだけが理由じゃないどころか…
そもそもチョメチョメが理由じゃないかも知れませんよ~まっちゃんさん!(゚∀゚ゞ)←ホンマカイナ…

秋に徳島のお話ですね!行きたいですね~!
その前にお刺身の美味しい尼崎のお店で作戦会議ですかね~( ´艸`)

たけまんたけまん
2014年08月10日 00:26
たけまんさんの憤り、とても同感します。
僕の里、まぁ家の前の川ですが、最近「危険なので…」と看板が立ちました。
子どものころから遊んで、いろ~んなことを学んだ場所。
正直、「何が危険なん?」って言いたい!
子供たちが、自らの経験から自然の怖さ、恐ろしさ、楽しさを学ぶ時代は終わりつつあるのか…とふと感じました。

しかし、タナゴ、美しいですね!(^^)
僕ももう20年もすればタナゴ釣りやってると思います(^.^)♪

じゅにじゅに
2014年08月10日 17:40
こんばんは。

お母さん、大変やったね。術語の経過は順調?
ちなみにウチの姉も先月末に乳がんの手術しました。オヤジもガン闘病中だし、ウチもバタバタしてます(苦笑)

釣禁止の看板、残念ですよね。
行政の責任逃れの為の策とも取れるんですが、立入禁止にしても進入する子供はやっぱりいるんですよね。
そこで起きた事故での死亡率は高いらしいんですよね。どういうことかと言うと、立入禁止になると大人の目がなくなってしまうということなんですよね。
本当は危ない場所で安全に遊ぶ術を大人が教えてあげないといけないんですけどね。

タナゴにしろ、オイカワにしろ淡水魚の婚姻色は奇麗ですよね。
ウチの近所でもたくさんいたので、小さいころは獲って水槽で飼ってましたよ(^^)
masa
2014年08月10日 20:24
こんばんは。

母の従姉妹家族が門真の文化住宅に住んでいたので、写真を見たらなんだか当時の街が頭に浮かんできました。

お母さま、手術もされたことやし絶対大丈夫、絶対!
こっちで祈っています。

自作マン自作マン
2014年08月11日 00:21
たけまんさん今晩は
故郷探訪もエエですね~
故郷は心のなかに…最後にしびれました!
でも、釣り禁止になってるのて、なんだか寂しいですね。
S
2014年08月11日 00:22
それで最近釣りされてなかったんですか!?

大変ですね><;

お母様のご無事をお祈りしております!

どんどん気軽に釣りのできる水辺が減ってきていますね・・・

管理の大変さもわかりますがなんか納得いかないですよね@@;
釣れまへん
2014年08月11日 16:45
たけまんさん、こんばんは。

かくゆう私も10才ぐらいまで、文化住宅に住んでいました。(ゆかり荘(笑)
近所にも残っていますが、昔しは、文化住宅いっぱいありましたね。
そして、二階や、屋根から屋根へ、よく走りまわって、遊び場でした。

氷張った池の上を歩いて、割れてハマったりしたけど、小さな冒険をして、
子供は逞しく、危機への回避、反射神経が付いていくんやと思います。
家具とかの角にゴムとか貼って、ぶつけても怪我しないようにとか
バカ言っちゃいけないよ、「子供は怪我して何ぼだ!」

釣に行けないのを不純な想像バッカして、すいませんでした。
お母さん歳は、たけまんさんとこと同じぐらいですかね?
お母さん、元気に退院される事を切に願っています。
トゥアケスゥイ~
2014年08月11日 22:27
じゅにさん、おはようございます!

じゅにさんの家の前の川もですかぁ~!
あの看板はやっぱり地元の承諾なしに勝手に行政が立ててるんでしょうか?

写真の場所も昨年は地元のおじさんが釣りをする脇で子供達が勝手に遊んではしゃいでるような、とても雰囲気の良い場所だったんで残念です。
子供達が遊んで学ぶ場所を大人が奪ってますよね。

タナゴ釣りが20年後も楽しめるようなフィールドが残っていて欲しいですね!(^-^)

たけまんたけまん
2014年08月12日 07:36
masaさん、おはようございます!

お陰様で母の術後の経過は順調で、これからの治療にも前向きに頑張っています。
masaさんも色々と大変やのに、合間を縫って今秋のイベントに向けて南紀まで行って活動されてるのには頭が下がります!

写真の釣り禁止の場所、昨年は大人が釣りを楽しみながら周りで子供がはしゃいでたり、魚を観察したり、釣りを教えてあげたり、とても雰囲気の良いコミュニティー広場でした。
masaさんの仰る通り、大人の目がなくなってしまうと逆に危険やと僕も思いますね。

夏休みに息子さんと川でガサガサなんか楽しいんじゃないですか?
僕も参加しますよ♪←「邪魔や!」って?(゚∀゚ゞ)

たけまんたけまん
2014年08月13日 07:53
自作マンさん、こんにちは!

確か門真は古川橋周辺でしたよね?
あの辺もまだ古い文化住宅が残っていて、僕も縁のある町です(^-^)

ありがとうございます!母の術後の経過は順調です!
これから治療に入っていきますが、頑張ってくれると思います!

合間を縫って釣りには行きますんで(笑)、お会いしたらヨロシクです!(^^)/

たけまんたけまん
2014年08月13日 12:03
Sさん、こんにちは!

「故郷は心の中に…」でシビレて頂けましたか?ありがとうございます!(^_^)
たまには真面目な記事も書いとかんとアホやと思われるので書いてみました♪
でもたぶん皆さん、コメントに困りはったんちゃうかな?(^0^;)
自己満ブログなのでお許しを…(゚∀゚ゞ)

しかし、釣り禁止や立ち入り禁止の場所は都会ほど多いですよね。
で、都会の子供ほど逞しさが無くなってる感じがしますわ~寂しいですが(>_<)

たけまんたけまん
2014年08月13日 12:40
釣れまへんさん、こんばんは!

ありがとうございます!お陰様で母の術後の経過は順調です!
「釣りに行けなかった理由はチョメチョメだけじゃなかった」と主張する為の今回の記事…なような?(゚∀゚ゞ)

釣り禁止の理由が「釣り人のマナーが悪い」だったら残念ですが、僕の知る限り、あの場所でその可能性は薄いと思うんです。
管理する側も色々大変なのは分かるんですが…
何故釣り禁止になったのか、機会があれば直接聞いてみたいですね!

たけまんたけまん
2014年08月13日 20:59
トゥアケスゥイ~さん、こんばんは!

「ゆかり荘」ですか!ウチは確か「みどり荘」…やったかな?(笑)
屋根から屋根って、どんだけ~!!(゚o゚; メチャクチャやんちゃくれですやん!(^0^;)

特に夏休みなんかは毎日のように小さな冒険、たくさんしましたね!
素足で沼に入って魚やザリガニ取ったり、カエル捕まえて餌にして淀川で雷魚釣りしたり、ヘビ捕まえて振り回して家に持って帰ってオカンに怒られたり?(笑)
泥だらけで帰るのはしょっちゅうやったし、擦り傷とか打撲なんかもしょっちゅうでしたよね!

でも今の子は可哀想で、砂遊び禁止、ボール投げ禁止、釣り禁止、アッチ行くなコッチ行くな!…と、大人は過保護に囲いを作って子供の自由と成長を奪ってますよね!
「子供は怪我してナンボ!」、同感です!家具とかの角にゴム貼って…ってもってのほか!痛みを知らずに成長する方が怖いのにねっ!

ありがとうございます!お陰様でウチの母は最近退院しまして、盆明けから治療する予定です。
もうすぐ70才になりますが、今年は治療の年と割り切って前向きに頑張ってくれています!

今回は真面目な記事で母も病気ですが、僕はフツーに不純ですよ!
40過ぎの少し変態な、ごく当たり前のオッサンですわ~(゚∀゚ゞ)

たけまんたけまん
2014年08月14日 00:35

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