惑星の瞳
私は今、このヒラスズキの脳天にナイフを突き刺して殺そうとしている。
彼は無駄な抵抗をせず、既に覚悟を決めているかのように大人しく横たわり、大きく澄んだ瞳でじっと私を見ている。
もし例えば、私が戦場で敵国の兵に捕らえられ、額に銃口を突き付けられた時、私はどうするだろうか。
泣きすがって命乞いするだろうか。
それとも彼のように最期まで気高くいられるだろうか。
青い地球では今もなお、戦争による弾圧と殺戮が繰り返され、核兵器使用も危惧されるほど恐ろしい世の中となっている。
まるで惑星のような眼球のヒラスズキの瞳には、私達人間の愚かさが映ってるように思えてならない。
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